女中部屋にて展示している襖絵。
これも元々この家にあったものです。
明治時代に描かれた物で、どなたかの絵を写したもののようです。
リバーシブルになっていて、裏は短冊や書が書かれています。(写真撮り忘れました)
物置に置かれていたので、どこに使われていたのか不明ですが、お客様や季節によって入れ替えたりしたのかなぁと・・・。
ところで、この絵に描かれた女性たちは、青い口紅を差しています。
実際は笹紅色と呼ばれていたようですが、江戸時代後期、非常に流行した化粧です。
昔の口紅は紅花から採られたもので、上質な紅は同じ重さの金と同価値と言われるほど、高価なものでした。
その、上質な紅。非常に純度の高い赤色の為、かえって赤色の光を吸収してしまい、青というか緑というか、そんな色に見えるそうな。
そんな訳で、「玉虫色に光る紅は上質な紅」と、紅屋が売り出したところ大流行。
流行の裏側には、色味的な御洒落だけではなく、ステータス的な意味合いもあったのかもしれません。
それにしても高価な紅を厚塗りして玉虫色に光らせる笹紅化粧、庶民には手が届きません。
そんな中庶民間にて考案されたのが、下地に黒い墨を塗って、その上から紅を差し、玉虫色っぽく見せるという方法。
女性の御洒落への執着というか、流行へしっかり乗ろうとする心意気が垣間見える気がします。
他にも鴨や唐子の描かれた襖絵を展示しております。
意外と細かく描き込まれているので、御来館の際は是非近くで見てみて下さい。
[8回]
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