コヤノ美術館西脇館(旧藤井家住宅)主屋が国登録有形文化財に登録される事となりました。
主屋は1890年に建てられた木造平屋一部二階建ての近代和風建築です。
屋根が非常に高く、開放的な土間にすっと伸びた一本の太い梁は凄いの一言に尽きます。
また、白のタイルを使用した明るい台所、電話室、大阪の名所である天神橋など、鉄橋を彫った珍しい欄間、明治時代の水洗トイレなど、田舎の農家(豪農)であるにも関わらず先進文化ふんだんに取り入れてある建物で、建てた方が先覚者であったことが窺い知れます。
コヤノと、この家との出会いは2006年秋。
不動産会社に紹介されて見に行きました。
長期間空き家であった為、かなり傷んでいたものの、主屋に上がる太い梁を見た館長は、「このような素晴らしい建物を、このまま失なってしまうのは、勿体無いし日本にとっても損害だ。」と購入を決意。
2007年より約1年半の修復工事を行いました。
傷みの激しかった奥座敷付近は床や天井板を張り替えておりますが、他は基礎部分を直した程度でほぼ当時のまま。
そして、木部やガラス、壁など建物全体を㈱コヤノが製造・発売・施工を行っている特殊表面保護剤「コヤフロン」を施しています。
「コヤフロン」の持つ、汚れ除去作用と防汚効果により、古民家特有の薄暗さが無く、美しい状態が蘇り、今後手垢や紫外線・酸性雨など劣化・風化の要因から建物を守ります。
「コヤフロン」についてもっと知りたい方はこちら↓
http://www.koyafron.co.jp/coyaflon/index.html
少し自社製品の宣伝を挟んでしまいましたが・・・
その工事を経て、2008年お盆より美術館として公開。
開館日は当初月に1度のみでしたが、様々な要望を聞き、今では毎週土・日に開館しております。
2011年6月、兵庫県教育委員会の方が、是非登録有形文化財に登録して貰いたいと、調査依頼に来られ、数度に渡る調査を行って頂きました。
この建物は、長年空き家だった事が良かったのか、現代の設備が施されていない昔のままの状態が残っており、文化庁の方からも「建物自体も素晴らしいが、良い状態で残されており、住宅としては珍しいケースです。」との言葉を頂きました。
今回文化財に登録された主屋の他に、大正時代の洋館や昭和初期の離れ(棟上は大正時代)、蔵などが立ち並んでおり、各時代の特色が良く出た建物を一同に見る事が出来ます。
今後も、これらの素晴らしい建物を守り、沢山の方に知ってもらい、後世へ残していきたいと思っております。
[10回]
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