以前家族風呂の記事を書きましたが、今回は、来客用のお風呂です。
こちらも家族用同様大正時代につくられたもので、家族用お風呂の横にあります。
檜の優しい風合いのあるお風呂です。
下には銅版が引いてあり、五右衛門風呂式になっています。
右にあるのはシャワーです。
上を見上げると、湯気抜きがついています。
写真では見えませんが、ルーバー部分はガラスでできてます。
家族風呂もそうだったのですが、当時、タイル張りの風呂というのは、木やモルタルと比べて水性、耐久性に優れ、衛生的ということで、どんどん取り入れられました。しかし、どうやらタイルは賛否両論あるようで、谷崎潤一郎が『陰影礼讃』の中で、タイルのお風呂について、次のように書いています。
「偕楽園主人は浴槽や流しにタイルを張ることを嫌がって、お客用の風呂場を純然たる木造にしているが、経済や実用の点からは、タイルの方が方々優っていることは云うまでもない。たゞ、天井、柱、羽目板等に結構な日本材を使った場合、一部分をあのケバケバしいタイルにしては、いかにも全体との映りが悪い。出来たてのうちはまだいいが、追い追い年数が経って、板や柱に木目の味が出て来た時分、タイルばかりが白くつるつるに光っていられたら、それこそ木に竹を接いだようである」
ここのお風呂は、まさしく書かれているような白いタイルと木を使ったお風呂です。
私は素敵だと思いますが、ここに入られた当時の方々はどのような印象をうけたのでしょうか。
日本人にとってお風呂は、心身共にリフレッシュの場、浴室内の雰囲気も大切ですよね。
外国から文化や素材がどんどん入ってくる中で、自分たちとの文化や生活との折り合い地点を模索した時代の、試行錯誤が見て取れます。
[6回]
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