今回は、幕末頃の簪を1つ。
竹槍の上に虎がのっています。
この虎、親指の爪程の大きさですが、ちゃんと首が動くんですよ。
芸が細かい!
虎の表情も何とも言えないですね。
それにしても、竹やりと虎ってなんなんでしょうか。
槍と虎なら加藤清正の虎退治とかが頭をよぎるのですが、ピンとこない。
竹林に虎は棲まないそうですが、昔からだいたい竹と虎はセットで描かれますね。
「金光明経」という4世紀ごろに出来た経典に、御釈迦様の前世と言われる王子が乾いた竹で自分の首を挿し、飢えてやつれた子持ちの虎の餌となろうとしたという話がのっているのですが、うーん、もっと庶民全員が分かるようなエピソードをモチーフにしますよね、きっと。
そもそも、竹槍じゃなくて、単に竹だよ、虎だから竹にしたんだよ、っと言われるとそこまでなんですが、どう見ても竹槍だと思うんですよね。気になります。
………………
なんて事を展示替えの頃からもやもや考えていたわけですが、
わけですが…!
どうやらこの簪、「干支かんざし」と呼ばれるモノみたいです。
簪屋さんで今も作られているみたいなので、気になる方は検索してみて下さい。
様々な干支の動物が竹の上に乗った簪が出てきます…。
分かってしまうと、すんなり「干支だな」って思わなかった自分が悔しい(笑)
となると、下の竹は竹槍じゃなくて、生命力を表す、門松の竹みたいなやつでしょうか。
門松の竹が節を斜めに切ってあるのは、切り口が笑顔に見えて「笑う門には福来る」らしいですが、どうなんだろう。
それにしても本当にお目出度い簪だな!と!
展示中のものは割とまぬけな顔をしてますが(小声)
江戸時代より、正月にはその年の干支の簪を挿して新春を祝ったり、今も舞妓さんや芸妓さんが正月に挿したりしているようです。
[7回]
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