現在(平成28年)公開中の「櫛・簪と化粧道具展」より、1点ご紹介。
華やかなのもいいけれど、個人的にちょっと面白いかな?というものを、チョイスしました。
明治時代の笄(こうがい)ですね。髷の部分に挿す装飾品です。
右に「東京」左に「築地」の字があります。見えるかな?
明治元年から明治32年まで築地には外国人居留地があり、また、行政機関も集中した場所で、東京の名所の一つとなっていました。
さらに後ろにひっくり返して図柄をよく見ると…
むむむ、電信柱と気球だ!
明治2年、築地運上所と横浜裁判所間に日本で初めての電信業務が開始、電信柱が立てられました。
また、明治10年、西南戦争の起った際、築地にあった海軍省では軍用気球の試験が行われました。
実際の戦争に用いられることはなかったようですが、人々には気球に乗って旗を振る海軍さんの姿がとても印象深く残ったでしょう。
そして、反対側の裏側を見ると…
何やら異国情緒あふれる建物が。
明治元年に開業した築地ホテル館です。日本最初の本格ホテルであり、明治初期の東京を代表する洋風建築でした。
気球に電信、ホテルと、東京と言えば築地!築地と言えばコレ!という図案です。
しかしそれを、笄の図柄にしてしまうとは、ハイカラですね。
髪に挿したら話題性抜群の1本です。
コヤノ美術館西脇館では、約1000点の櫛・簪と化粧道具や理容道具などを展示中です。
[9回]
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