今回の展示『裁縫と抒情画展』では、中原淳一の「それいゆ」などファッション雑誌なども数多く展示しております。
その中から1点、「男子専科」創刊号をご紹介。
昭和25(1950)年、『スタイル』の臨時増刊号として生まれた『男子専科』。
『スタイル』は昭和11(1936)年に創刊されたファッション誌で、当時にしては非常にモダンで画期的な女性誌でしたが、軍国主義の時代に突入し、軍部の統制により廃刊に追い込まれました。しかし、オシャレは女性にとって生きる糧、生きる楽しみ。戦争が終わり、武装解除した翌年、昭和21年(1946)年に復刊。
女性がオシャレをし始めると、男性はどうなんだ・・・?と、いうことで生まれた雑誌がこの『男子専科』です。
中を見ると、スーツに合わせて靴から帽子まで前身のカラーコーディネートについて書かれています。
他にも、ネクタイやらズボンなどの色・柄・デザインについて図と共にしっかり解説。
スーツ好きの私はパラパラと図を眺めるだけでもニヤニヤがとまりません。
個人的に気になったのは、一流のダンディ、高野三三男、河野鷹思、小野佐世男の座談会録でしょうか。「男のお洒落はどこに苦心したらよいか」について、3人があれこれ話しをしているのですが・・・
小野氏の「パリッとした恰好をしてれば、気持だってシャンとするんだよ・・・。」には、そうだそうだと相槌を打ち、
河野氏の「お洒落をする根本といふのは、一つは勇氣だと言へますね。」には、うん、まぁ、そうかなぁと色々思い起こして考え、
高野氏の「お洒落といふのは、生まれ落ちるときからすぐやらなければ・・・。」には、今からじゃ手遅れですかと苦笑い(笑)
そして裏表紙には代表的なカラーコーディネートが。出る前に自分の服装と照らし合わせておかしくないかチェックしろとのこと。
残念ながら展示品については保存のために中を見て頂く事は出来ませんが、現在『男子専科』の復刊プロジェクトがあるだとか。「懐古主義ではなく、温故知新。古き良きモノを再認識することで新たなおしゃれに目覚めて…」とのこと。
この言葉には頷くばかりです。
服装に限らず、古きがあってこその「新しい」であって、昔を知らずに前進し続けることは難しく、先人の知や美に触れる時というのも、大切だと思います。
[7回]
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