昭和の建物、階段をあがると、芭蕉布を使用した襖がある。
糸芭蕉の木から作られる芭蕉布は、沖縄県の伝統工芸の一つで、500年の歴史がある。一反の芭蕉布を作るのに約200本もの芭蕉が必要とされ、半年かけて作られる。
夏の季語でもある芭蕉布はよくウタにもなっている。
思想家であり、宗教哲学者であり、美学者でもある柳宗悦は『芭蕉布物語』(1943)にて「今時こんな美しい布はめったにないのです。いつ見てもこの布ばかりは本物です。その美しさの由来を訪ねると理の当然であって、どうしても美しくならざるを得ない事情にあるのだとさえ云えるのです。・・・現存する日本の織物の中で、最も秀でているものの一つが芭蕉布なのです。」と記している。
そのような芭蕉布を使用したこの襖は、涼しさの中に、家のあたたかみを感じさせる襖だと思う。
撮影場所:昭和の建物2階
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