昭和の客用離れの一角。
付書院と床の間、ちょうど中間の高さの一枚板で出来た正方形の台。
天井には網代が張られています。
この台を備えた床の間は「琵琶床」と呼ばれます。
名前の通り、琵琶を置くための空間で、コヤノ美術館でも琵琶を、そこに展示しております。
(たぶん薩摩琵琶?江戸か明治くらい?詳しく無いので分かりません…)
古くは武士が鎧を飾る為に設け、「鎧床」と呼ばれていたようですが、時代は変わるのです。
琵琶床のある部屋作りは、明治中頃から昭和初期にかけて、富豪たちの間で流行しました。贅沢な空間です。
この流行の火付け役となったのが、明治天皇。
元々、琵琶は上流貴族や武士の楽しむ楽器で、市民にはあまり親しみの無いものでした。奏でる音楽自体も、華やかな三味線の方が断然人気が高かったという事もあります。
それが、明治に入り、「天皇」という神聖な祖なる存在を教えられ、その天皇がとても薩摩琵琶を愛好していたことから、「私もやってみよう」と琵琶を習う人が急増し(と言ってもやはり高価なもの、裕福な人しか所持できなかったはず)、そして琵琶は、大切なものとして床の間へ飾られるようになったのでした。
[6回]
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